ビジネスにおけるITの重要性がますます高まっており、それに比例してサーバーエンジニアに興味を持つ方も増えています。
というのも、サーバーエンジニアは「IT業界の中では未経験から就職しやすい職種」と言われることが多く、これからIT業界に転職したい方にとって注目されやすい職業だからです。
そして、以下のような疑問を持っている方も多くいらっしゃいます。
「サーバーエンジニアにはどんなスキルが必要?」
「サーバーエンジニアになる方法は?」
「おすすめの資格は何かある?」
この記事では「サーバーエンジニアを目指したい」「興味がある」という方に向けて、サーバーエンジニアに必要な資格やスキルや、サーバーエンジニアになるための学習方法を詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧いただき、取得する資格や学習方法を明確にしていきましょう。
監修者:川畑 翔太郎 ITリスキリングサービス「ウズウズカレッジ」を運営する「UZUZ」の専務取締役。九州大学卒業後、現LIXILに入社。その後UZUZに参画し、2,000人以上のキャリア支援を行う。現在はウズウズカレッジ事業の責任者を担当。 |
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サーバーエンジニアは、文字通りサーバーの設計・構築・運用保守をする仕事です。サーバー自体を開発したり、使用中にエラーが出たら修正する役割を担っています。
業務が近い職種は「ネットワークエンジニア」「クラウドエンジニア」などが挙げられます。
未経験から就職した場合、最初は完成しているITインフラ環境を維持するための「運用保守業務」を担当することが多いです。そして実務経験を積みながら、より専門的な資格を取ったり「上流工程」と呼ばれる設計・構築業務にシフトするのが、一般的なキャリアアップの流れです。
気になるサーバーエンジニアの平均年収は、約465万円(※1)です。
国税庁のサイトによると、日本人の平均給与は461万円なので、平均的な水準といえるでしょう。
ただし、未経験から就職した時点では280〜350万円と、やや低いラインからのスタートです。そこから実績やスキルに応じて、年収が上がっていきます。
サーバーエンジニアは「IT業界未経験からでも、比較的就職しやすい職種」と言われていますが、それは以下の理由からです。
注意点としては、企業によっては「サーバーエンジニアとしてのみ働く」のような希望が通らず、ネットワークエンジニアやクラウドエンジニアの業務も兼任する場合があること。
そのため「サーバーエンジニアの仕事をしたい」と思っている方は、サーバーエンジニアを募集している求人か、サーバー案件を中心に扱っている企業を選ぶのがポイントです。
また、サーバーエンジニアについて詳しく解説した動画もありますので、よければこちらも参考にしてください。
※1 参考:国税庁:II 1年を通じて勤務した給与所得者
サーバーエンジニアが資格を取得するメリットは、以下の3つです。
それぞれのメリットを順に解説していきます。
資格を取得していると、サーバーエンジニアの就職が有利になります。
サーバーエンジニアとして働くには、OSを中心に専門的な知識が必要です。しかし採用担当者からすると、面接だけでは実際の知識やスキルが分かりません。
そんな時に専門的な資格を持っていることで、一定レベルの知識やスキルを証明できます。特に専門性の高いスキルを持っていれば、入社後に即戦力として働けることをアピールできるので、就活も有利に進められます。
資格の勉強をすることで、実務の土台となる基礎知識やスキルを体系的に学べます。
未経験者は実務経験がない分、就活では不利になりやすいです。しかし、資格の勉強を通じて基礎知識を身につけていたり、手を動かして実務のイメージができていることで、入社してからの業務がスムーズに覚えられます。
また、面接の際も「入社前にできることを最大限やっている」という積極的な姿勢が評価され、好印象を持たれやすいです。
資格にもよりますが、入社してから専門性の高い仕事を任される可能性もあります。
未経験からサーバーエンジニアに就職した場合、運用保守業務から始めるのが一般的。ですが、知識やスキルが身についていればキャリアアップを目指しやすいといえます。
サーバーエンジニアの実務に活かせる資格はたくさんありますが、その中でもおすすめなのは「LinuC」です。レベル1〜3までの3段階に分かれていますが、未経験の方は就職活動を始める前にレベル1の取得を目指しましょう。
サーバーエンジニアは、主に以下6つの知識やスキルが求められます。
幅広い知識やスキルが必要なうえに、どれも専門性が高いことが特徴です。1つずつ順に詳しく解説します。
サーバーOSは、サーバーエンジニアに求められる最も基本的な知識です。
サーバーエンジニアが仕事をする際に操作するのが「サーバーOS」です。これはコンピューターを動かすためのソフトウェアのことで、以下のような種類があります。
特にサーバーエンジニアの業務においては、Linuxを扱うことが多いです。そのため未経験から挑戦するのであれば、Linuxを中心に学ぶことをおすすめします。
サーバーエンジニアの業務の中でも「運用保守」は、最初に任されやすい仕事です。
構築したサーバーは、基本的に365日24時間稼働しています。そのため、エラーや不具合が起きないように監視やセキュリティチェック、バックアップを行います。
万が一サーバーに障害が起こった場合は、復旧作業が必要です。
運用のための専用ツールを使うこともあり、CPUやメモリについての知識も求められます。
サーバーエンジニアとしてキャリアアップを目指す際に欠かせないのが、「上流工程」と言われる設計や構築に関するスキルです。
一般的には、サーバーの運用保守業務で経験を積んだ後、設計や構築を担当します。
設計・構築業務においては、コンピューターの仕組みやサーバー負荷など、使用するサーバーの特徴を理解していることが前提です。また、サーバーOS以外にも、ネットワーク全体に関する知識も求められます。
サーバーには個人情報や顧客情報など、外部に漏れてはいけない情報が入っています。仮に社内で使用する業務サーバーであっても、ネットワークに接続されている以上、情報が漏れてしまう可能性は否定できません。
そのためサーバーエンジニアは、セキュリティに関する知識も必要不可欠と言えるでしょう。具体的には、セキュリティソフトやファイアウォールなどを扱う知識とスキルが必要です。
このように、サーバーエンジニアはサーバー内のセキュリティを守る役割も担っています。
近年は仮想化技術が進歩したため、サーバーエンジニアにとっても必要不可欠な分野となりました。
仮想化とは、これまでアプリケーションごとにサーバーが必要だったものを1台のサーバー上に集約し、複数環境が稼働できるようにする仕組みです。
仮想化することで、コスト対策や災害対策につながるため、あらゆるところでサーバーの仮想化が進んでいます。
具体的には「VMware」や「Hyper-V」といったソフトウェアを利用する知識やスキルが必要です。
現在ではクラウドサーバーを利用する企業も増えつつあり、クラウドに関する知識やスキルも必要です。
一言でクラウドといっても、求められる知識は以下の分野に分かれます。
クラウドに詳しいサーバーエンジニアになるには、ある程度の実務経験も必要です。
今後クラウドはこれまで以上に活用されることが予想され、サーバーエンジニアとしてクラウドに関する知識や技術は必要不可欠となるでしょう。そのため経験の少ない頃からでも、少しずつ学習していくことをおすすめします。
サーバーエンジニアの資格といっても様々な種類があり、難易度も異なります。
その中で、以下の3つに分類しておすすめの資格を紹介します。
サーバーエンジニアは、OSについての知識・スキルが欠かせません。OS関連の資格は、以下の3つがおすすめです。
LinuCとは、世界で普及しているOSの1つである「Linux」の技術者であることを証明する資格で、レベルが1〜3まであります。
Linuxはサーバーエンジニアがよく利用するOSであるため、サーバーエンジニアにとって欠かせないスキルです。
特に未経験からサーバーエンジニアを目指したい人は、LinuCレベル1を取得しておくと、就職が有利に運びます。
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LPICは、LinuCと同じくLinuxの技術者であることを認定する資格で、1〜3のレベルに分かれています。
LinuCとLPICは、主催している団体が異なりますが、内容に大きな違いはありません。LinuCは日本の法人が運営しているため、日本国内ではLPICよりもLinuCを優遇している企業が多いです。
そのため、海外で働きたい場合を除き、LinuCの取得を優先することをおすすめします。
MCSAとは「マイクロソフト認定テクノロジースペシャリスト」の略称で、Microsoft社が認定するシステムアドミニストレータを対象とした民間資格です。
Windowsを利用したシステム環境の管理、トラブルシューティングのスキルを証明できます。
Microsoft社の製品は広く流通しているため、MCSAを取得すると業務の幅が広がるでしょう。この資格は、Microsoft Windows Serverを利用して中規模以上のシステムの実装、運営などの業務を6ヶ月以上行なっている人が対象です。
ネットワーク関連では、以下2つの資格をおすすめします。
どちらも製造メーカーとして世界でも大きなシェアを持つ「Cisco Systems社」が主催している「シスコ技術者認定資格」です。
CCNAはネットワーク関連資格として有名ですが、サーバーエンジニアとして働くうえでも役立つ資格です。
受験資格は特にありませんが「1年以上の実装や管理経験を積んでいること」が推奨されています。
この資格は、3年ごとに更新制度が設けられており、受験ごとに最新の知識や技術について出題されます。更新し続ければ、継続的なスキルアップにもつながるでしょう。
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CCNPは、CCNAよりも上位に位置付けられる資格で、やや応用レベルの知識や経験が求められます。そのため「サーバーエンジニアとしてキャリアアップしたい」と考える方にもおすすめです。
CCNPも必須の前提条件はありませんが「3〜5年の実装経験を持つこと」が推奨されています。
試験は「コア試験」と「コンセントレーション試験(選択式)」の2科目あり、両方の合格によって資格が取得できます。
「コンセントレーション試験」は受験する分野を6つから自分で選べるので、興味があるものや得意分野から選ぶのがポイントです。
OS関連とネットワーク関連の資格以外にも、以下の3つの資格がおすすめです。
基本情報技術者試験は、経済産業大臣が認定する国家資格の1つです。
コンピュータの基本的な仕組みやシステムを開発する流れなど、ITに関する基礎知識が身に着きます。
サーバーエンジニアとしてキャリアアップしたい方は、初期段階で取得することをおすすめします。
応用情報技術者試験は、基本情報技術者試験の上位に位置付けられ、応用的な知識・技術を証明できます。
基本情報技術者試験よりも出題範囲が広く、記述問題も追加されるので、難易度はかなり上がります。受験資格は特にありませんが、「基本情報技術者試験に合格していて数年の実務経験を積んだ人」が対象です。
この資格に合格すると、他の資格試験で一部の科目が免除されるものもあるので、キャリアアップを目指す方は積極的に挑戦してみましょう。
ITILの正式名称は「ITIL認定資格」といいます。ITIL(Information Technology Infrastructure Library)というガイドブックをベースにした、ITサービスマネジメントに関するスキルを証明する資格です。
このITILは、近年システム運用管理を中心とした幅広い分野に普及し、現在では業界基準として世界的に利用されています。ITILが活用できると、自社のITサービス状況に応じて部分的に利用したり、カスタマイズしてITサービスの高度化も可能です。
サーバーの運用技術だけでなくマネジメントスキルも取得することで、サーバーエンジニアとして活躍の場が広がるでしょう。
ここまでの内容を読んで「サーバーエンジニアとして働くために、少しでも転職を有利に進めたい」と思った方もいるのではないでしょうか。
サーバーエンジニアとして就職・転職するためにどのような学習をするとよいか、2つのポイントを解説します。
1番のおすすめは「サーバーエンジニアが取るべき資格」でもお伝えした「LinuCレベル1」を取得することです。
先述の通り、LinuCはサーバーエンジニアがよく利用するサーバーである「Linux」の技術者であることを証明する資格です。
特にLinuCレベル1は学習を通じて、サーバーエンジニアとして働くうえで欠かせない知識やスキルが身に着くため、就職してからの業務がスムーズに覚えられます。
また、就活の際もしっかり基礎学習を終えていることをアピールできて有利です。
ウズウズカレッジでは、IT未経験の方に向けて「LinuCレベル1完全未経験からの合格講座」を提供しています。
動画教材のため、専門用語や難しい言葉も丁寧に解説しています。また、試験を想定した演習問題まで、未経験者にも分かりやすい内容となるよう工夫しました。
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求人を探すときのポイントとして「業務経験の有無」と「保有資格の有無」を確認しましょう。
サーバーエンジニアは未経験からでも就職しやすいと言われていますが、企業によっては実務経験や特定の資格を持っていることを応募条件にしているところもあります。特に未経験から就職を目指す方は、業務経験や資格が問われない求人に応募するのがおすすめです。
ただし、業務経験や資格保有が必須でないからといって、知識や技術が不要というわけではありません。先述したように、LinuCレベル1の学習をして、基本的な知識やスキルは身に着けておきましょう。
この記事では、サーバーエンジニアに就職することを検討している方に向けて、以下の内容を解説しました。
サーバーエンジニアは未経験から就職しやすいうえに、実務経験を積んで知識やスキルを身に付ければ、どんどん活躍の幅も広がる仕事です。
そのためにも、まずはサーバーエンジニアとして働く際に最低限必要となる「LinuCレベル1」の取得を目指しましょう。
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