IT化が進む中で、エンジニアは今まで以上にOSなどに対する知識を求められるようになりました。
OSには、WindowsやmacOSなど企業が提供しているものもあれば、無料でソースコードが公開されているLinuxなど、様々な種類があります。
そんなLinuxの技術力を証明する資格が「LinuC」です。
LinuCは、クラウド時代のITエンジニアに求められる知識や技術を認定することができるため、取得することで就職・転職に有利となるでしょう。
本記事では、LinuC試験の概要や注意点に加え、取得メリットや勉強方法について詳しく解説します。
LinuC試験を受けようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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LinuC試験は、LPI-JapanというNPO法人が主催しており、正式名称を「Linux技術者認定試験 LinuC」といいます。
取得することで「Linuxの実用的な知識やスキルを有していること」が証明できます。
OSに関する資格には、LinuCの他に「LPIC」がありますが、大きな違いは対象となる市場です。
LPICは国際共通標準資格ですが、LinuCは日本市場に合わせて作られた資格であり、試験は日本国内でしか実施されていません。
LinuCがスタートした当初の試験内容は、LPICとほぼ同じでした。
しかし、2020年4月に試験範囲の大幅な改定が行われ、現在ではクラウド技術やオープンソースの知識など、より実践的かつ実用的な内容へと変わっています。
LinuCを取得することは、ITエンジニアとしてのキャリアを伸ばすことにも繋がるでしょう。
先述の通り、LinuCとLPICはどちらもLinuxのスキルを証明するものですが、認定の効力範囲が異なります。
LPICは、世界180ヵ国以上で実施されているグローバル・スタンダードな資格です。
一方でLinuCは、日本国内向けの資格なため、海外では評価されない可能性があります。
しかし、公式サイトが日本人にわかりやすく作られていたり、試験問題の日本語に不自然な点がないため、未経験者にとって挑戦しやすい資格といえるでしょう。
また、合否判定の方式も異なります。
LPICの受験者にはスコアと合否の判定のみが通知されるのに対し、LinuCはスコアや合否判定のほかにも、合格基準や項目別スコアも併せて知ることができるのです。
LinuCは国際認定資格ではありませんが、日本市場に最適化している分、日本国内での需要は高い資格といえるでしょう。
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また、以下の動画でもLinuCの概要を詳しくまとめていますので、ぜひチェックしてみてください。
LinuCの試験形式はCBT方式で、コンピュータを使用して受験します。
マウスによる選択方式がほとんどですが、キーボード入力が必要な問題が出題されるケースもあります。
また、団体受験の場合はCBT方式ではなく、PBT方式(マークシート)での受験も可能です。
受験場所は、全国各地の試験センターか、自宅や職場からのオンライン受験のどちらかを選択できます。
ただし、オンライン受験は使用するパソコンに要件があったり、本人確認書類が必要など注意点があるため、以下より詳細をご確認ください。
参考:LinuC「自分の好きな場所から受験できるようになりました」
LinuCは、基本的にいつでも受験できるため、自分の都合に合わせて試験日を選べます。
年に1回しかチャンスがない資格試験も多い中で、いつでも受験できるのは大きなメリットといえるでしょう。
ただ、日程によっては満席の可能性もあるため、受験日の希望がある場合は早めに予約をしてください。
また、LinuCを受験するには「EDUCO-ID(アカウント)」が必要なため、事前に取得しておくと試験予約がスムーズに進みます。
EDUCO-ID取得後「ピアソンVEUのホームページでWeb予約」または「電話予約」のいずれかの方法で申し込みを行いましょう。
申し込み方法の詳細は、こちらからご確認ください。
参考:LinuC「受験案内」
LinuCの合格ラインは、公表されていません。
しかし、公式サイトのQ&Aでは「目安として65〜75%程度の正答率で合格点となる」と発表されています。
また、合格率についても公表がなく詳細は不明ですが、LinuCと同じくらいの難易度といわれているLPICの合格率は、全レベル合わせて35%ほどです。
合格率が気になる方はLPICを参考にすると良いでしょう。
LinuCの難易度については、下記の記事をご覧ください。
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参考:LinuC「よくあるご質問」
受験料は、1試験あたり税込16,500円です。
例えば、LinuCレベル1を取得するには、101試験と102試験の2つを受験する必要があるため、合計で税込33,000円になります。
支払い方法は、以下より選択可能です。
なお、クレジットカード支払いの場合に限り、試験予約とセットで行うことが可能です。
以下の記事では、LinuC試験の概要やおすすめする理由などを解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
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ここからは、LinuC試験をレベル別に解説していきます。
LinuCは大きく3つのレベルに分かれていて、レベルが上がるにつれて難易度も上昇します。
上位レベルの試験を受けるには、下位レベルの認定が必須となるため、段階を踏んで受験しましょう。
以下は、LinuC試験の概要をレベル別にまとめたものです。
LinuCレベル1 | LinuCレベル2 | LinuCレベル3 | |
---|---|---|---|
特徴 | Linuxのシステム構築や運用など、基本的な知識が証明される | 仮想マシンやコンテナを含むLinuxシステム、ネットワークの設計・構築技術が証明される | 大手企業などで即戦力として働ける上級エンジニアの証明になる |
対象試験 | 101試験と102試験の両方に合格する必要がある | 201試験と202試験の両方に合格する必要がある | 300試験・303試験・304試験のいずれか1つに合格で資格取得となる |
問題数 | 約60問 | 約60問 | 約60問 |
試験時間 | 90分 | 90分 | 90分 |
勉強期間の目安 | 1か月~3か月程度 | 3か月~半年程度 | 半年~1年程度 |
参考:LinuC「LinuCで証明できるレベル」
LinuCレベル1試験では、物理/仮想Linuxサーバーの操作と運用などの知識が求められます。
Linuxシステムの基礎的な問題が多いため、未経験からでも挑戦しやすい資格といえるでしょう。
LinuCレベル1を取得するには、101試験と102試験の両方に合格する必要があり、出題範囲は以下の通りです。
試験内容 | |
---|---|
101試験 |
|
102試験 |
|
引用:LinuC「LinuCレベル1出題範囲」
なお、受験の前提条件はありません。
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LinuCレベル2試験では、仮想マシンやコンテナの理解に加え、セキュリティやシステムアーキテクチャの基本知識を求められます。
レベル1に比べてやや難しい試験内容となっており、Linuxを扱うインフラエンジニアとして、即戦力になることを証明できる資格です。
LinuCレベル2の認定を取得するには「201試験と202試験の両方に合格する」ことと「有意なLinuCレベル1の認定を保有している」必要があります。
以下は試験別の出題範囲です。
試験内容 | |
---|---|
201試験 |
|
202試験 |
|
引用:LinuC「LinuCレベル2出題範囲」
LinuCレベル3試験は3種類あり、いずれか1つに合格することで認定されるため、自分の得意分野や習得したい技術に合わせて選択しましょう。
出題範囲や求められる能力は、試験によって様々です。
試験内容 | 必要な知識・スキル | |
---|---|---|
300試験 |
| Linux、Windows、UNIXなどの混在環境・運用の実践的なスキル |
303試験 |
| Linuxを使用したエンタープライズレベルの大規模システム構築やセキュリティ知識 |
304試験 |
| 仮想化システムや高可用性システムの構築スキル |
引用:LinuC「LinuCレベル3出題範囲」
なお、LinuCレベル3を受験するには「有意なLinuCレベル2の認定」を保有している必要があります。
LinuC試験を受ける際に注意すべきポイントを、以下の項目ごとに解説します。
LinuC試験に挑戦しようと考えている方は、参考にしてください。
LinuC試験のレベル1や2は、5年間のうちに2つの試験に合格する必要があります。
例えば、LinuCレベル1の101試験にのみ合格した場合、合格日から起算して5年以内に102試験にも合格しなければ、認定とはなりません。
万が一、101試験の合格から102試験に合格しないまま5年を過ぎてしまうと、101試験の合格は無効になってしまうのです。
LinuCの各試験には「有効期限」があることを覚えておきましょう。
また、せっかく合格した試験が無効になってしまうという事態を避けるためにも、計画的な学習と取得スケジュールを立てることが重要です。
LinuC試験は全レベル共通で、認定の有意性に期限があります。
資格の認定日から5年以内に「同一レベルの認定の再取得」または「上位レベルの認定の取得」をしなければ、ACTIVEな認定ステイタスを維持できません。
認定ステイタスとは、日々発展するLinux業界において、最新の技術を理解しているか否かの判断基準として取り入れられているものです。
有意性の期限が切れてしまった場合は、認定ステイタスが「ACTIVE」から「INACTIVE」に変更されます。
INACTIVEになっても、一度認定された資格が無効になるわけではありませんが、履歴書には記載できないなどのデメリットがあるため注意しましょう。
参考:LinuC「再認定ポリシー(有意性の期限)」
不合格になり同一試験を受ける場合、前回の受験日の翌日から起算して7日目以降(土日含む)より再受験が可能です。
この条件に反していると受験予約ができないため、注意してください。
また、LinuC試験レベル3の再受験は、受験料の割引があります。
初回受験の不合格日から2年以内に受験する同一試験のみ、通常16,500円(税込)の試験を5,500円(税込)で受けられるのです。
ただし、この割引は1回限りであり、レベル1や2は適用外であることを覚えておきましょう。
再受験に関する詳細は、再受験ポリシーよりご確認ください。
参考:LinuC「再受験ポリシー(リテイクポリシー)」
LinuC試験の受験を検討する中で、様々な疑問を抱いている人もいるでしょう。
そこでここからは、LinuC試験に関するよくある疑問にお答えします。
「LinuC試験に合格するメリット」や「合格するための勉強方法」について詳しく解説しますので、ぜひご覧ください。
LinuC試験に合格することで、クラウド時代に必要不可欠な「Linux」に関する知識を持っていることが証明できます。
特に、未経験からITエンジニアへ転職・就職を希望する人にとっては、取得しておいて損のない資格といえるでしょう。
レベル1のLinuC試験であっても、取得している人としていない人では、前者の方が採用されやすく、やる気や熱意をアピールする材料にもなります。
また、すでに現役エンジニアとして働いていて、キャリアアップを目指す人にもおすすめです。
企業によっては資格手当や昇給による収入アップを狙えるほか、転職にも有利に働くでしょう。
LinuC試験に合格するための勉強方法は、大きく分けて以下の3通りです。
向いている人 | |
---|---|
参考書+問題集 |
|
オンライン教材 |
|
専門スクール |
|
独学でも合格は目指せますが「疑問点の解決が難しい」「モチベーションを維持し続けられない」などの理由から、挫折に繋がりやすいといえるでしょう。
特に、IT未経験者がLinuC取得を目指す場合は「何から勉強をすればいいのかわからない」という事態も発生しかねません。
また、LinuCの勉強には「自分で手を動かすこと」が重要です。
独学の場合は「自身のPCにLinuxをインストールする」などの方法がありますが、IT業界の経験がない人にとってはハードルの高い作業でしょう。
そのため、やや非効率な学習になってしまい、資格取得までに時間がかかってしまう場合があります。
そのような問題を解決できるのが、オンライン教材や専門スクールです。
弊社ウズウズカレッジではLinuC専用カリキュラムや、オンラインの学習教材を提供しています。
「効率よく短期間での取得を目指したい」「勉強方法に迷っている」という方は、ウズウズカレッジも選択肢の1つとしてご検討ください。
また、おすすめの参考書や選び方については、以下の記事で紹介しています。
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本記事では、LinuC試験を受けようと検討している人に向けて、以下の内容を解説しました。
LinuCの認定を取得することで、Linuxに関する知識があることを証明できるほか、就職や転職の際、有利となるでしょう。
弊社ウズウズカレッジは、ITスクールの運営や、動画・演習教材の提供をしている企業で、様々な学習カリキュラムをご用意しています。
LinuC取得を目指す人には、LinuC試験対策に特化した「LinuCコース」がおすすめです。
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UZUZ COLLEGE教材開発部門事業責任者。1989年生まれ、岐阜県出身。元中学校社会科教諭。教諭時代にExcel VBAを独学し業務を自動化する。中学校教諭を辞めた後は学習塾を立ち上げる。その後、大学の同級生であったUZUZ社員に誘われ、UZUZの業務を手伝うようになる。ウズウズカレッジでは法人研修や教材、社内システムの開発を担当するようになる。学習者の学力を把握することに長けており、知識がゼロの学習者でも無理なく学習を修了できるようなカリキュラムを設計している。CCNAの映像講義は発売後すぐにベストセラーとなる。受講生の評価は常に90%以上を維持し、CCNA教材の累計受講者数は1万人を超えている。学習支援の対象分野はCCNA、Google App Script、Excel VBA、C言語など。