近年、SES企業においては、社員に対する研修の実施が一般化しています。
これは単に社員のスキルアップを図るだけでなく、結果として企業の収益増加に繋がることが期待されているからです。
本記事では、SES企業が研修を行う理由や研修内容に加え、研修を成功させるためのポイントを解説します。
SES企業にとって質の高い人材の確保は、企業の命運を左右する重要な課題です。
適切な研修を通じて自社エンジニアを育成することが、企業の持続的な成長に直結するため、ぜひ参考にしてください。
SESとは「システムエンジニアリングサービス」の略称で、契約形態の1つです。
この契約では、プロジェクトに必要な人材が不足している企業に対して、SES企業が自社社員の技術力を提供します。
ITエンジニアの雇用主であるSES企業で、社員研修を行うかどうかは会社次第ですが、多くの企業で実施されています。
研修の目的は、主に以下の3つです。
ただ、研修内容は企業によって様々で、実務で使えるスキルが身に付かないケースも多く見受けられます。
自社常駐のエンジニアがいなかったり、いたとしても研修に時間を割けないことから、営業や管理職などが研修の監修を行うことがあるからです。
SES企業で研修を行う際は、実践的なスキルの習得を目指せる内容の組み込みが必須といえます。
以下の記事では、SES企業における新人教育の課題やポイントを解説しています。
自社エンジニアに対する研修実施を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
合わせて読みたい
SES企業が社員に対して研修を行うのには、以下2つの理由があります。
ここからは、それぞれの理由と研修の必要性について、詳しく解説します。
新入社員の稼働までのスピードが早いほど、SES事業者は高収益となります。
未経験・無資格のエンジニアが、十分な知識を身に付けて稼働できるようになるまでには、平均3ヶ月の期間が必要です。
例えば、月給23万円の新入社員が稼働までに3ヶ月を要するとしたら、69万円の人件費に加え、育成コストも発生します。
しかし、この期間を研修によって1ヶ月に短縮できれば、46万円のコスト削減が可能です。
仮に新入社員が10名だとすると、460万円もの大幅なコスト削減に繋がります。
SES企業は、社員研修の実施によって早期の人材稼働を実現し、自社の収益体質強化を図っているのです。
人手不足を理由に、未教育かつスキルの伴っていない人材を案件に配属させると、業務に適応できないことで疲弊し、短期離職してしまうケースが多いです。
このような状況を改善し、人材の定着率を高めるためには、入社時から十分な基礎知識や実務スキルを習得させる必要があります。
研修により事前に一定レベルの教育を行えば、新人でも比較的スムーズに業務に対応できるでしょう。
そうすることで、優秀な人材を長期に渡って確保し続けられるのです。
SES企業による研修の実施は、社員のスキル向上を目指すだけでなく、人材の定着と活用を見据えた経営戦略の一環ともいえます。
SES企業の研修内容は、エンジニアの種類や企業ごとに様々ですが、主に以下のようなものが挙げられます。
また、近年では時間や場所に捉われずに学習できる利便性の高さから、eラーニングを採用している企業も多いです。
ここからは、研修の具体的な内容やそれぞれの特徴について解説します。
SES企業の社員向け研修では、現場で用いられるプログラミング言語の基礎学習が欠かせません。
Javaなどの主要な言語の文法やデータ構造、オブジェクト指向の概念を学ぶことで、実務に必要なコーディングスキルを身に付けることができます。
現場で求められる言語の知識は、SESエンジニアとして働く上で最低限のスキルです。
研修を通してプログラミングスキルの向上を図ることは、社員を即戦力化する第一歩となるのです。
SES企業の研修では、座学による学習だけでなく、実践的な開発演習も行われています。
実際に手を動かして作業することで、より深い知識の定着が期待できるからです。
例えば、弊社UZUZが提供している研修サービスの「開発エンジニア育成コース」では、要件定義や仕様書作成、チームでの開発演習といった実践的な学習を実施しています。
開発における一連の流れを実演しながら学ぶことで、業務に必要なプロセスやスキルを効率良く身に付けることが可能です。
SES企業の人材育成では、IT業界の動向やキャリアパスの理解を深めることも大切です。
セキュリティやコンプライアンスなどを学ぶことで、最低限のITリテラシーを身に付けられます。
UZUZの研修サービス「ウズカレBiz」では、インフラエンジニアなら1ヶ月、開発エンジニアなら3ヶ月で、客先常駐可能なレベルに到達することを目的としています。
eラーニングとリアルタイム研修を組み合わせた効果的な研修プログラムにより、効率的かつ計画的に社員の即戦力化を図れるのです。
技術的なスキルに加え、ITの基礎知識も含めた研修内容にすることで、経験の少ない社員でも安心して現場に送り出す体制が整えられます。
SES企業が研修を成功させるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
これらを自社内で完結させるのが難しい場合は、外部研修の活用がおすすめです。
厚生労働省の「人材開発支援助成金」を利用すれば、最大で85%の研修費用が返還されるため、コスト面での負担を大きく軽減できます。
外部機関の専門性を利用しつつ、助成金を有効活用することで、質の高い研修を低コストで実施することが可能です。
研修には一定のコストがかかりますが、将来的な人材確保や企業の業績向上に繋がる投資と捉え、自社に必要なものを導入しましょう。
SES企業では、社員教育の一環として研修を実施するのが一般的となっています。
プログラミング言語の基礎から開発手法、ITリテラシーに至るまで、幅広い分野での知識・経験の習得を図ることが目的です。
研修の実施は、単に社員のスキルアップに留まらず、結果として企業の収益増加にも大きな貢献が期待できます。
早期の人材育成による稼働スピードの向上や、優秀な人材の定着率改善など、様々なメリットが見込まれるからです。
ウズカレBizでは、ITの基礎から専門知識まで幅広いスキルを習得できます。
また、ウズカレBizには、以下の特徴や強みもあります。
「自社に研修実施のリソースがない」「採用後の定着率を上げたい」と考えるSES企業の方は、ぜひウズカレBizの利用をご検討ください。
UZUZ COLLEGE代表取締役社長、UZUZグループ専務取締役。1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造部へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生であったUZUZ創業者からの誘いと、自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2020年より教育研修事業を立ち上げ、2024年より「UZUZ COLLEGE」として分社化し、代表取締役社長に就任。