近年、社員教育にeラーニングを活用する企業が増えています。
eラーニングはメリットの多い一方で、いくつかの注意点も存在するため、双方を理解しておくことが大切です。
本記事では、eラーニングの概要や活用シーンに加え、導入のメリットや注意点などを解説します。
自社の社員教育において、eラーニングの導入・活用を検討している企業の方は、ぜひ参考にしてください。
eラーニングの特性を最大限に活かし、時には異なる研修形式も組み合わせて活用することで、効率的かつ効果的な社員教育を実現できるでしょう。
eラーニングとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使用して、時間や場所を選ばず学習できる形態のことです。
対面型の集合研修に比べて柔軟性が高く、コストの削減も期待できることから、企業研修をはじめ、広く活用されています。
デバイスの進化に伴い、eラーニングも進化を遂げてきました。
近年ではバーチャルリアリティ(VR)の発展により、さらに臨場感のある学習体験が可能となっています。
ここからは、eラーニングの仕組みや種類、歴史などについて詳しく解説します。
eラーニングは「教材」と「学習管理システム(LMS)」で構成されており、これらの主要な要素がeラーニング研修の成功に大きく関わっています。
つまり、高品質な教材を使用し、学習管理システムの適切な運用を行うことで、効果の高いeラーニング研修を実施できるのです。
次にそれぞれの仕組みを詳しく解説します。
教材
eラーニングはインターネットを通じて学習するため、視覚的に訴えられる動画教材やアニメーション、シュミレーションなどのマルチメディア教材が多く使用されています。
動画は解説のみで伝わりやすい内容に適しており、アニメーションは受講者の理解を促進するのに効果的です。
さらに近年では、ゲーム的な要素を取り入れた、楽しく取り組める学習教材も登場しています。
学習管理システム(LMS)
eラーニングを運用・管理するシステムのことを「LMS(Learning Management System)」あるいは「eラーニング管理システム」と呼びます。
LMSでは、主に以下の機能を利用できます。
主な機能 | 内容 |
教材の管理 | 教材をカテゴリ分けし、受講者が利用したい教材をすぐに閲覧できるように整える |
教材の配信・受講 | 動画やアニメーションなどのコンテンツをアップロードしたり、受講することができる |
学習進捗の管理 | 受講者1人ひとりの学習状況を管理できる |
テストやアンケートの実施 | テストやアンケートを設置し、個人ごとの理解度を把握できる |
学習履歴の分析 | テスト結果をレポーティングし、研修の効果改善を図る |
受講者と管理者のコミュニケーション | 質疑応答や進捗管理、お知らせなど双方向のコミュニケーションが取れる |
LMSを活用することで、効率的かつ体系的なeラーニング運営が実現します。
管理者は受講者1人ひとりの学習状況を把握でき、適切な指導やフォローアップを行えます。
eラーニングの提供形態は、主に「イントラネット型」と「クラウド型」の2種類に分けられます。
提供形態ごとの種類 | 特徴 |
イントラネット型 |
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クラウド型 |
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このように、両者の特徴は大きく異なるため、企業はニーズとリソースに合わせてこれらの提供形態を使い分ける必要があります。
機密情報が多い研修ではイントラネット型、汎用的な一般研修であればクラウド型を活用するなど、用途に合わせた適切な選択が求められます。
eラーニングは、IT技術の進歩に伴って進化を遂げてきました。
ここからは、以下の表を用いてeラーニングの歴史について振り返ります。
eラーニングのはじまり |
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「e-Japan」構想策定 |
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スマートフォン・タブレットの登場 |
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現在のeラーニング |
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IT技術の進歩に伴い発展を遂げてきたeラーニングは、今後も新たな形態へと変化し続けていくことが期待できます。
従来の社員教育は、紙の教材を用いた対面形式の研修が主流でした。
しかし対面型研修には、以下のようなデメリットや課題があったのです。
eラーニングであれば場所や時間を問わず学習できるため、研修コストを抑えられるだけでなく、社員1人ひとりのペースや理解度に合わせた柔軟な学習が可能です。
また、全社員に対して同じ質の教材を提供できる点もメリットといえます。
優秀な講師による教材作成で、質の高い学習コンテンツを用意すれば、講義レベルの平準化を図れるのです。
eラーニングは、コスト面とクオリティ面の両方で従来の研修手法を上回るメリットがあり、知識のインプットを手軽に実現できることから、注目を集めています。
企業におけるeラーニングの活用シーンには、主に「新入社員研修・教育」と「DXなど座学で学べる内容の全社研修」の2つが挙げられます。
eラーニングの特徴やメリットを最大限に活かすには、eラーニングの活用シーンを選ぶ工夫も必要です。
新入社員研修では、会社の理念や業務に関する知識、ビジネスマナーなど、幅広い内容を短期間で習得する必要があります。
インプット型の学習が中心となるため、eラーニングに適した活用シーンといえます。
eラーニングの動画教材や演習問題は、効率的に知識やスキルを習得できるだけでなく、分からなかった部分の反復学習にも役立つでしょう。
また、eラーニングシステムでは、受講者の学習状況や理解度を的確に把握することが可能です。
理解が不十分な受講者には個別にフォローアップできるため、新入社員1人ひとりのレベルに応じた研修が実施できます。
DXやコンプライアンス、情報セキュリティなど、座学で学べて全社員が習得すべき内容の研修は、eラーニングに適しています。
全社員を集めた集合研修は、スケジュール調整が難航しがちで、時間や場所の制約からくる負担が大きいです。
eラーニングであれば、それぞれの社員が都合の良い時間に受講できるため、こうした課題を解消できます。
管理者は受講状況をシステムで一括管理できるため、未受講者に個別でリマインドを送るなどのフォローも可能です。
「全社で同一して高品質な研修を行いたい」「効率的な研修を実施したい」と考える企業にとって、eラーニングは最適なソリューションといえるでしょう。
企業にとってのeラーニング導入メリットは、主に以下の3点です。
それぞれ詳しく解説しますので、eラーニングによる研修の実施を検討している企業の方は、参考にしてください。
企業がeラーニングを導入するメリットの1つに、社員のスキルアップの効率化を図れる点が挙げられます。
eラーニングは、場所を選ばず各自のタイミングで受講できるため、対面研修と比較して、会場の準備や研修参加者の日程調整などに伴う工数を大幅に削減できます。
また、優秀な講師による高品質な講義を全社的に提供することが可能です。
このようにeラーニングでは、工数を抑えながら全従業員が同質の研修を受講できるため、社員の着実なスキルアップを効率的に進められます。
eラーニングによる研修は、受講者や講師が自宅から参加できるため、会場費や交通費などのコスト削減に繋がります。
従来の集合研修では、社員が一同に集まれる会場の確保や、参加者の交通費、講師への報酬などが必要でした。
しかしeラーニングであれば、会場の準備が不要なだけでなく、講師や受講者たちの移動にかかる交通費も発生しません。
高品質な教材を作成し、インターネット上で配信するだけなので、研修の度に講師を招く必要もないです。
このように、限られた研修予算で大きな効果を生み出せる点が、eラーニングの魅力といえます。
eラーニングによる研修は、社員の学習状況や学習履歴、内容の理解度などをデータで可視化できます。
この情報を活用することで、受講が遅れがちな社員に個別のリマインドを送ったり、テスト結果から得意分野や苦手分野を把握することが可能です。
また、可視化されたデータは、会社や上司へ研修の成果報告をする際にも役立ちます。
研修状況の管理や効果測定をしっかりと行うことで、研修が終了してからも社員1人ひとりに合った適切な指導やサポートを行えます。
eラーニングシステムの管理機能は、企業の人材育成の質を高めることに繋がっているのです。
eラーニングの導入は、企業だけでなく受講者にも大きなメリットをもたらします。
ここからは「時間や場所にとらわれずに学習できる」「自分のペースで学習できる」の2点について解説しますので、受講者側のメリットも把握しておきましょう。
eラーニングは、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも学習可能です。
オフィスや自宅はもちろん、移動中の電車の中や出張先のホテルなど、場所に捉われず学べる点がメリットといえます。
また、時間的な制約もほとんどなく、通勤時間や休憩時間、深夜であっても自分の空き時間を有効活用して学習に取り組めます。
時間的・空間的な自由度が高く、それぞれのライフスタイルに合わせた受講が可能なため、受講者のモチベーション維持にも繋がるでしょう。
eラーニングでは、受講者1人ひとりの理解度や進捗状況に合わせて、最適なペースで学習を進められます。
理解が難しい内容があれば、自由に動画を止めたり巻き戻したりできるため、分からないまま講義が終了してしまう心配もありません。
また、eラーニングには演習問題の機能が備わっているものが多く、間違えた問題に関してはその場で復習も可能です。
このように、自分の理解度に応じて学習ペースを調整したり、つまずいた箇所を徹底的に学び直せる点が、eラーニングの魅力といえます。
eラーニングはメリットが多いことから、積極的な活用をおすすめします。
ただし、導入の際には注意点やポイントがあるため、以下の3点を押さえておきましょう。
それぞれの内容を正しく理解することで、自社に最適なeラーニング研修が実施できます。
eラーニングは多くのメリットがある一方で、実技を伴う内容の学習には不向きな面があります。
例えば、医療従事者が技能を身に付ける場合は、実際の患者さんや道具を使った実践的な訓練が不可欠です。
また、製造業の現場作業を学ぶ際にも、実際に機械に触れて体得する機会が必要です。
eラーニングだけの学習では、知識の習得はできても実践的なスキルを獲得するのに限界があります。
そのため、実技を必要とする分野の学習については実習の場を設けるなどして、理論と実践の双方をバランス良く取り入れることが重要です。
企業が一から自社でeラーニングシステムを構築し、教材を作成しようとすると、多額の費用と手間がかかります。
そのため、社員教育を目的としてeラーニングを導入する場合は、研修会社にアウトソースするのがおすすめです。
外部の研修機関を利用すれば、自社でシステム構築や教材作成をする手間がかからず、教材作成にかかる人件費やソフトウェア・ハードウェアなどのコストも抑えられます。
また、教材の内容を常に最新の状態に保つためのアップデート作業についても、研修会社に一任できます。
自社内で随時アップデートを行う手間を考えると、研修会社に委託するメリットは大きいといえるでしょう。
eラーニングは自己学習なため、受講者によっては学びをインプットしにくい場合があります。
そのため、座学による学習だけでなく、受講後にグループディスカッションの場を設けるなどして、お互いの学びを共有し理解を深めることが大切です。
他者の意見を聞くことで、新たな気づきを得られるでしょう。
また、学んだ知識やスキルを実際の業務で活用する機会を用意するのも効果的です。
上司や先輩社員のフィードバックを受けながら、eラーニングで身に付けた内容を実務に活かすことで、より確実な知識と技術の定着が期待できます。
本記事では、eラーニングの概要や注目されている背景に加え、導入のメリットや注意点などについて解説しました。
eラーニングによる研修はメリットが多い反面、注意点もあることを理解しておきましょう。
その上で、自社の研修目的やニーズに合わせて、対面式の集合研修とeラーニングを上手く使い分ける必要があります。
研修内容によって様々な受講スタイルを組み合わせることで、より効果の高い研修が行えるでしょう。
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また、ウズカレBizには、以下のような強みもあります。
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UZUZ COLLEGE代表取締役社長、UZUZグループ専務取締役。1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造部へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生であったUZUZ創業者からの誘いと、自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2020年より教育研修事業を立ち上げ、2024年より「UZUZ COLLEGE」として分社化し、代表取締役社長に就任。