IT人材育成が必要な理由|企業の抱える課題と解決策を徹底解説

IT需要が急速な発展を遂げている昨今、ビジネスにおけるIT人材の確保は非常に重要となりました。

しかし、日本では高いITスキルを持つ人材が不足傾向にあり、企業が優秀なIT人材を採用するハードルは上がっています。

そのため、自社でIT人材を育成する必要性がこれまで以上に高くなりました。

本記事では「IT人材の育成が必要な理由」「企業におけるIT人材育成の課題や解決策」について詳しく解説します。

IT人材育成を進めるために情報収集をしている企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

IT人材とは?

IT人材とは、IT分野の知識やスキルが豊富で、それを業務に活かせる人のことを指します。

経済産業省がみずほ情報総研株式会社へ委託して行った「IT人材の需給に関する調査」によると、以下のように定義されています。

▼IT人材の定義

主に情報サービス業及びインターネット不随サービス業(ITサービスやソフトウェア等を提供するIT企業)及び、ユーザー企業(ITを活用する一般企業)の情報システム部門等に属する人

引用元:経済産業省委託事業「IT人材の需給に関する調査(6頁)」

なお、下図は「IT人材の定義」を視覚的に分かりやすく表したものです。

IT人材の需給に関する調査
画像引用元:経済産業省委託事業「IT人材の需給に関する調査

一口に「IT人材」といっても、勤める企業や職種によって分野は様々であり、IT人材の定義は広いといえます。

IT人材育成の取り組みが必要な理由

「IT人材の育成」は、今や企業の人事戦略に欠かせないものとなっています。

その理由は様々ですが、ここでは主に以下の3つについて解説します。

  • 需要に対しての人材不足の深刻化
  • 即戦力となる人材の採用の難しさ
  • IT業界の競争激化への対応

IT業界の発展に伴い、IT人材育成の重要度は高まり続けていくと予想されるため、対策を取ることが大切です。

需要に対しての人材不足の深刻化

IT人材育成が必要とされる理由の1つに、IT人材不足の深刻化が挙げられます。

あらゆる産業でデジタル化が加速し、IT需要が伸びている一方で、IT人材は追いついていません。

実際に、経済産業省の発表した「IT人材育成の状況等について」によると、将来的に約40〜80万人規模でIT人材の不足が生じるとされています。

下記サイト内のデータを参考にUZUZ側で表を作成

参考:経済産業省 商務情報政策局 情報処理振興課「IT人材育成の状況等について

今後はAIやビックデータ、IoTといった先端技術の需要が高まると予想されており、これらは従来のIT技術だけでは対応が難しいです。

最先端技術は企業の経営に大きく影響すると考えられるため、対応できるIT人材を確保することが重要といえます。

即戦力となる人材の採用の難しさ

IT人材は、企業に雇用されるよりもフリーランスとして働くことを選ぶ人も多く、経験や実績のある人を採用したくても難しい傾向にあります。

また、経験豊富なIT人材を採用するには、転職エージェントへ高額な費用を払ったり、他社と比較検討され時間を要する場合も多いです。

即戦力となるIT人材が市場に少ないことと、採用負荷が高くなる可能性があることから、企業は人材育成を強化する必要があるといえます。

経験の少ない人材であっても積極的に採用し、社内研修などを行うことで、コストを抑えながらIT人材を確保しましょう。

IT業界の競争激化への対応

IT業界は技術革新が速く、新しいサービスや製品が続々と生まれています。

企業が競争力を維持し競合他社の中で生き残るには、常に最新のIT技術を取り入れ成長していく必要があります。

しかし、日本の競争力は上がっていないのが現実です。

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「デジタル競争力ランキング2023」において、日本は過去最低ランクを更新し総合32位となりました。

IT業界の競争が激化していることや企業のグローバル化などの背景から、IT人材育成の強化は不可欠といえます。

参考:IMD「2023年世界デジタル競争ランキング

企業におけるIT人材育成の課題と解決策

ここからは、企業におけるIT人材育成の課題と解決策について解説します。

2015年に中小企業省が行った「中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査」で特に多かった項目は、以下の通りです。

  • 指導・育成力のある社員の不足
  • 社員が教育を受ける時間を確保できない
  • 指導・育成の手段やノウハウの不足
  • 社員のモチベーションの不足
  • 育成にかけられるコストの不足

中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査|中小企業省
画像引用元:中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査|中小企業省

それぞれ詳しく説明するので、IT人材の育成に役立ててください。

指導・育成力のある社員の不足

IT人材の育成方法に「社内研修の実施」が挙げられます。

しかし、社内に指導力や育成力のある社員がおらず、研修を行えない企業もあるでしょう。

そのような場合は、外部の研修会社に委託することをおすすめします。

研修会社に在籍する講師は教育のプロのため、学習でつまずきやすい部分を熟知しており、要点を捉えて効率良く学ぶことができます。

また、研修企業によっては動画教材やeラーニングを活用して、繰り返し学ぶことも可能です。

社内研修よりも高い学習効果を期待できる場合もあるため、研修会社を利用する価値は高いといえます。

社員が教育を受ける時間を確保できない

社員の業務量が多く、教育を受ける時間を確保できないという問題もあるでしょう。

システム開発の現場では予想外のトラブルに遭遇することも多く、計画的なスキル育成が困難なケースがあります。

このような課題を抱えている場合は、業務の隙間時間や都合に合わせて学習できる「eラーニング」や「動画教材」などを活用するのがおすすめです。

ネット環境さえあればいつでもどこでも受講可能なため、研修のために参加者全員のスケジュール調整を行う必要もありません。

導入の手間や負担の少なさから「社員の時間に余裕がない」という企業に向いているといえます。

指導・育成の手段やノウハウの不足

自社の指導・育成の手段やノウハウが不足していて、人材育成が難しいというケースもあります。

このような場合も、外部の研修機関に委託することで課題を解決できるでしょう。

研修会社は、教育のノウハウが豊富であったり、最新のトレンドや技術を押さえた研修を実施してくれます。

加えて、自社の研修目的や希望に沿ったプランを提案してくれるため、研修効果はより高いものとなりやすいです。

社内で研修カリキュラムを作成したり、最新技術が出るたびに教材をアップデートしなくて済むのも、大きなメリットといえます。

社員のモチベーションの不足

社員のモチベーションが不足していると感じる場合には、スキルマップの導入がおすすめです。

スキルマップとは、業務を行うために必要なスキルを分類し、その人がどの程度のレベルで業務遂行できているのか数字で評価する一覧表を指します。

社員1人ひとりの技術レベルや、業務の進捗度合い(成果)を見える化することで、目指すべきゴールが分かりやすくなり、モチベーションアップに繋がるでしょう。

また、目標の進捗度を都度上司などと確認できる時間を設け、フィードバックを行うのも有効的といえます。

育成にかけられるコストの不足

人材育成にコストがかけられないと悩んでいる企業もあるでしょう。

そのような場合は、助成金を活用することをおすすめします。

外部の研修会社に委託した場合でも、研修会社やプランによっては人材開発支援助成金が利用できるケースがあります。

人材開発支援助成金とは、人材を「雇用」し「教育支援」している企業が受け取れる助成金です。

業務に関連した専門知識を習得するための研修を実施することで、研修費用や研修中の社員の賃金などに対して助成が受けられます。

助成金を利用して、コストを抑えながら人材育成を行いましょう。

参考:厚生労働省:「人材開発支援助成金

IT人材の育成ならウズカレBiz!

IT人材の不足は深刻化しており、今後はその影響が増々大きくなると予想されます。

企業の人事戦略は、IT人材の人手不足を念頭に置いて進める必要があり、採用だけでなく育成にも力を入れていく必要があるでしょう。

IT人材を育成する方法には「社内研修」や「外部研修機関への委託」などが挙げられます。

ウズカレBizは、弊社UZUZが提供しているIT研修サービスの1つで、特徴は以下の5つです。

  • 毎月開催で1名からでも受講可能
  • 「Udemy」で最高評価を獲得した学習教材
  • 研修終了後も復習用に講義動画が閲覧可能
  • 助成金の活用によるコスト削減(実質負担額48,000円~)

主に新入社員向けのカリキュラムを扱っていますが、既存社員のスキルアップにも活用いただけます。

IT人材の育成に悩みを抱えている企業担当者の方は、以下よりウズカレBizの詳細をチェックしてみてください。

この記事を監修した人

S.KAWABATA  株式会社UZUZ COLLEGE 代表取締役

UZUZ COLLEGE代表取締役社長、UZUZグループ専務取締役。1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造部へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生であったUZUZ創業者からの誘いと、自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2020年より教育研修事業を立ち上げ、2024年より「UZUZ COLLEGE」として分社化し、代表取締役社長に就任。