インフラエンジニアはサーバーやネットワークの設計や構築、運用を行うエンジニアです。
その業務内容から様々な知識とスキルを求められますが、近年では「AWS」の知識も求められるようになりました。
なぜAWSのスキルが必要になっているのでしょうか?
本記事ではインフラエンジニアがAWSのスキルが必要な理由と、身に付けるメリットや習得方法を詳しく解説します。
AWSの将来性や効率的な学習方法を紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
AWSの知識・スキルはインフラエンジニアでも習得しておくべきです。
その理由には、圧倒的なシェア率とクラウド技術の発展が大きく影響しています。
この項目ではインフラエンジニアにAWSスキルが必要な理由を詳しく解説します。
AWSのスキルが必要な理由は以下の3つです。
多くの企業がオンプレミス環境、すなわちサーバー等を現物で用意し自社で管理する方法から、クラウド環境への移行を進めています。
総務省が行った企業におけるクラウドサービスの利用動向調査では、2022年時点で約4割の企業がクラウドサービスを全社的に利用していると回答しました。
画像引用元:企業におけるクラウドサービスの利用動向|総務省
それに伴って、AWSの知識があるインフラエンジニアの需要が高まってきました。
クラウド環境であれば物理的なインフラを維持する必要がなくなるため、企業はコスト削減と運用効率化が実現できます。
そのためクラウドサービスを採用する企業が増え、急速に普及しているのです。
クラウド化によって企業はリソースをより戦略的な活動に振り向けられるため、インフラエンジニアはこの変化に対応するためのスキルを身に付けることが求められています。
AWSは通販最大手の「Amazon」が2006年から提供しているクラウドサービスで、日本に限らず、世界でもクラウドシェアNO.1のサービスです。
サービスの種類は200を超え、柔軟性、コスト効率の面から特に人気があります。
AWSを利用するメリットは多く、以下のようなことが挙げられます。
これらの利点が享受できるため、多くの企業が使用しています。
そのためAWSの知識があるインフラエンジニアの需要は、今後ますます高まっていくでしょう。
現代のビジネスにおいて、ビッグデータの活用は必要不可欠な要素です。
ビッグデータとは、企業などが様々な方法で収集した、膨大な量の情報のことです。
AWSはデータ蓄積と分析に特化したサービスを提供しており、企業はこれに基づいて意思決定を行います。
特に、マーケティングや顧客分析において、AWSのビッグデータサービスは有用なツールです。
そのため、インフラエンジニアはこのスキルを習得することで、より価値のある人材になれます。
インフラエンジニアがAWSスキルを身につけておくと、今後のキャリア形成に大きなメリットがあります。
AWSの需要はさらに増すと考えられるため、キャリアアップを目指すなら学習あるのみです。
メリットとして挙げられるのは以下の2つです。
AWSの知識やスキルを持つことで、インフラエンジニアの市場価値が高まります。
なぜ市場価値が高まるかというと、クラウドサービスが主流となってきた現在でも、オンプレミス環境で運用されているサービスがあり、どちらも取り扱う企業があるためです。
クラウドとオンプレミス両方の業務を担うことができるインフラエンジニアは貴重で、市場価値が高くより多くの選択肢を持てたり、年収が上がる傾向にあります。
実際の年収事情は「求人ボックス」のデータによると、インフラエンジニアの平均年収が490万円です。
一方で、クラウド技術をメインで扱うクラウドエンジニアは平均516万円です。
年収が高いということは、それだけ市場価値が高いといえます。
参考:求人ボックス「クラウドエンジニアの仕事の年収・時給・給料情報」
AWSのスキルを持つことで、リモートワークの機会が増え、柔軟な働き方が可能になります。
オンプレミスのサーバーを運用している場合、現物のサーバーにトラブルがあった時には現地で対応しなければならず、リモートでの作業は行えません。
しかしAWSをはじめとするクラウドサーバーであれば、遠隔での操作のみで対応できるため、リモートでも業務を遂行できます。
リモートワークでの働き方を望んでいるのなら、AWSの知識とスキルは学んでおきましょう。
AWSを扱うには様々なスキルや知識が必要になります。
必須級のものからあると便利なスキルもあるため、優先順位をつけてスキルアップしましょう。
習得しておきたい知識やスキルは以下の5つです。
インフラエンジニアでAWSを扱うのであれば、クラウドサービスの知識やスキルは欠かせません。
そもそもクラウドサービスとは何なのかという基礎的な知識から、クラウド上でのシステム構築や運用方法など、覚えるべき事は多いです。
これらの知識がなければ、クラウドサービスの一種であるAWSを扱うことはできません。
逆に言えば、クラウドサービスの知識やスキルがあればAWSの大半の機能を理解できるとも捉えられるため、まずは基礎固めとしてクラウドについて学びましょう。
AWSの主要サービスには「EC2(Elastic Compute Cloud)」「S3(Simple Storage Service)」「RDS(Relational Database Service)」などがあります。
インフラエンジニアが仮想サーバーの構築やデータの保存、データベースを効率的に管理するためには、これらのAWSサービスを使用する必要があります。
特にEC2は、必要に応じてリソースを柔軟に調整でき、スケーラビリティの高いシステム設計が可能なため人気の高いサービスです。
実務でも活かしやすいため、まずは需要の高いEC2の学習から始めるのがおすすめです。
インフラエンジニアには、AWSを活用するためのクラウドスキルだけでなく、オンプレミス環境でのサーバー・ネットワークの知識が欠かせません。
基盤の仕組みを理解していなければ、現在多くの企業が抱えているオンプレミスからクラウドへの移行ニーズに応えられないからです。
クラウドへの移行には、オンプレミスのネットワークやサーバー環境を正確に把握し、それをクラウド環境に適応させるスキルが求められます。
そのため「CCNA」や「Linux」などの知識があると、業務を効率的に進められます。
まだCCNAやLinuxの知識を取得していないなら、クラウドの勉強より先にこれらの学習を優先させましょう。
弊社UZUZ COLLEGEではそれらを効率よく取得できるスクールである「CCNAコース」「LinuCコース」を提供しています。
資格勉強に自信がない、最短で資格を取得したいあなたにぴったりのカリキュラムを用意していますので、ぜひご利用ください。
AWSを扱うのであれば、ミドルウェアの知識やスキルも必要です。
ミドルウェアとは、アプリケーションとOSの間で機能するソフトウェアのことで、プログラムの動作を円滑に行うためのものです。
オンプレミス運用されていたシステムをクラウド運用に移行する際に、ミドルウェアの知識が活用されるため学習しておきましょう。
代表的なミドルウェアには「Apache」「Apache Tomcat」「MySQL」「PostgreSQL」などが挙げられます。
インフラエンジニアは、Pythonなどのプログラミングスキルも習得しておきましょう。
なぜならプログラミングスキルは、インフラの自動化や効率化において不可欠なスキルだからです。
プログラミング言語は様々な種類が存在していますが、その中でもおすすめなのが「Python」です。
IaCが進んでいる中でPythonは、AWS環境でのスクリプト作成やTerraform、Ansibleなどのツールと連携した自動化に役立ちます。
Pythonはその他にもAIやアプリケーション開発などの分野に応用できるため、キャリアチェンジする際にも無駄になりません。
AWSが扱えるインフラエンジニアとして市場価値を高めるなら、AWS認定資格の取得が効果的です。
AWS関連の資格を持つことで、スキルを客観的に証明でき、転職にも有利に働きます。
AWSの資格といっても複数の認定資格があり、代表的なものは以下の4つです。
AWS認定資格資格 | レベル | 特徴 |
---|---|---|
クラウドプラクティショナー | 初心者向け | AWSの主要サービスやクラウドの基礎知識を証明する資格 |
AIプラクティショナー | 初心者向け | 人工知能や機械学習、生成AIの概念ユースケースに関する知識を証明する資格 |
ソリューションアーキテクト アソシエイト | 中級者向け | システム設計や運用、AWSの活用法やクラウドに関する知識が問われる |
ソリューションアーキテクト プロフェッショナル | 上級者向け | セキュリティ・コスト・パフォーマンスの最適化、複雑なソリューションの提供、自動化の知識を証明する資格 |
現状のスキルがどの程度のものなのかを1度洗い出し、自身のレベルに合った資格から挑戦しましょう。
インフラエンジニアがAWSのスキルを習得する方法は多く、人それぞれに適した学習方法があります。
代表的な学習方法は以下の3つです。
自分に合った勉強法で効率的に学びましょう。
書籍を使っての独学で、1番一般的な方法です。
昔ながらの紙ベースの教材に慣れ親しんだ人には、この方法が1番勉強しやすいでしょう。
書籍で学習するメリットは以下の4点が挙げられます。
書店で試し読みをすれば、自分に合った教材なのかを購入前にチェックできるためおすすめです。
書籍での学習でおすすめの参考書を以下の表にまとめました。
書籍選びの参考に役立ててください。
本 | 特徴 |
---|---|
AWSではじめるインフラ構築入門 | ・クラウドでのサーバー構築の基礎知識やAWSを用いたインフラ構築・運用が学べる ・AWS初心者におすすめ |
Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築 | ・AWSを通じてインフラを学べ、全体像を把握できる ・改訂されより実践的な内容になった |
この1冊で合格! AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト テキスト&問題集 | ・ソリューションアーキテクトの資格 ・勉強に特化した書籍資格取得を効率的に行えるよう設計されている ・中級者以上の人におすすめ |
図解即戦力 Amazon Web Servicesのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 | ・AWSや関連する技術について、図解で分かりやすく解説 ・カラーで非常に分かりやすく初心者でも理解しやすい |
AWS公式が運営しているWebサイトで実施できるeラーニングを利用すると、費用を抑えて学習できます。
Amazonが提供しているAWSトレーニングでは、無料で600以上の学習カリキュラムが用意されており、自身の学びたい項目をピンポイントで選べるのがメリットです。
もし無料版で満足できなければ、有料のコンテンツを利用するといいでしょう。
Amazon公式ではないWebサイトも存在します。
ただ、情報が更新されていなかったり、間違った情報が掲載されている場合があるため、AWSトレーニングを利用することをおすすめします。
書籍での独学が肌に合わない人は、スクールの活用がおすすめです。
独学の最大のデメリットは挫折しやすいことです。
学習時に不明点があった場合、聞ける相手がいないため解決することが難しいといえます。
疑問が解消されないまま学習を続けた結果、根本が分からないため後のカリキュラムが理解できなくなります。
また一緒に切磋琢磨できる仲間の存在もないため、モチベーションを維持しづらく、学習半ばでやる気を失う人も多いです。
スクールであれば、丁寧な解説や指導してくれる講師がいます。
不明点が解消しやすいため挫折しにくく、人と関わることでモチベーションも維持しやすいです。
最後まで諦めずに学習を続けられるでしょう。
またスクールはお金もある程度かかり「お金がかかっているからやらなきゃ」と無料で学ぶよりも前向きに学ぶ姿勢になりやすいです。
弊社UZUZ COLLEGEではAWSを効率的に学べるオンラインスクールを展開しています。
受講生のサポートも充実しており、AWS資格取得には最適なスクールです。
今後エンジニアとして活躍したいのであれば、ぜひ利用を検討してください。
Amazonが提供し、日本国内外でトップのシェアを誇るクラウドサービスのAWSの知識は、インフラエンジニアにも必要です。
それにはオンプレミスからクラウド環境に移行し始めている業界の推移や、身に付けることで市場価値が高められるなどの理由が関係しています。
必ずしも習得しなければならないスキルではありませんが、覚えておくと今後のキャリア形成で有利になることは間違いなく、年収にも大きく影響するでしょう。
将来のことを見据えるのであれば、AWSについて今のうちに学習しておきましょう。
独学もいいですが、短い時間で効率よく学ぶならスクールを活用するのがおすすめです。
弊社UZUZ COLLEGEはAWSを学べるコースも提供しています。
24時間いつでも視聴できる動画教材や、担当講師によるサポートも充実しており、学習しやすい環境が整っています。
ぜひ弊社のスクールを有効活用して、エンジニアへの一歩を踏み出しましょう。
UZUZ COLLEGE教材開発部門事業責任者。1989年生まれ、岐阜県出身。元中学校社会科教諭。教諭時代にExcel VBAを独学し業務を自動化する。中学校教諭を辞めた後は学習塾を立ち上げる。その後、大学の同級生であったUZUZ社員に誘われ、UZUZの業務を手伝うようになる。ウズウズカレッジでは法人研修や教材、社内システムの開発を担当するようになる。学習者の学力を把握することに長けており、知識がゼロの学習者でも無理なく学習を修了できるようなカリキュラムを設計している。CCNAの映像講義は発売後すぐにベストセラーとなる。受講生の評価は常に90%以上を維持し、CCNA教材の累計受講者数は1万人を超えている。学習支援の対象分野はCCNA、Google App Script、Excel VBA、C言語など。