SES企業とエンジニアの双方にとって、配属案件が決まらないことは深刻な問題です。
この問題の原因には、企業側の営業力や人材育成不足、エンジニアのスキル不足など、様々な要因が考えられます。
本記事では、配属案件が決まらない原因と具体的な解決策について解説します。
SESで案件が決まらないと人件費や教育費といったコストがかさみ、企業経営に大きな影響が出るため、本記事の内容を理解し、対策を講じていきましょう。
SESにおいて、エンジニアの案件がなかなか決まらない場合があります。
企業側に問題があるケースでは、以下のような原因が考えられます。
思い当たるものがある企業は、次に紹介する解決策を実践しましょう。
企業の営業力や提案力が低く、そもそも扱っている案件の母数が少ないと、エンジニアの案件は決まりにくくなります。
対策として、まずは既存のクライアント企業への営業活動を強化することが重要です。
定期的に訪問し、新規案件の有無や人員の不足状況を確認することで、タイミングを見てエンジニアの補充を提案できるでしょう。
並行して新規開拓にも注力し、エンジニアの紹介先を増やしていく必要もあります。
ITベンダーや関連企業、異業種への営業活動を積極的に展開することで、販路の拡大を図れます。
また、提案の質を上げるため、営業担当者がIT知識を学ぶことも大切です。
営業担当者は、顧客のニーズを的確に捉え、適切なエンジニアの紹介やサービスの提供ができるよう、スキルアップに努めることが求められます。
既存顧客への提案と新規開拓、そして提案力の向上が組み合わさることで、案件の獲得機会を増やすことができるのです。
提案金額の設定が適切でない場合も、エンジニアの案件は決まりにくくなります。
自社に特段高いブランド力や技術力がない限り、他社と比較して高額な金額を提示していては受注は困難です。
案件を獲得するには、市場相場と自社エンジニアのスキルレベルを考慮した適切な価格設定が重要なのです。
まずは自社の強みを把握し、その上で同業他社や同等のスキルを持つエンジニアの相場価格を調査・参考にしながら提案金額の見直しを行いましょう。
SESで案件が決まらない原因に、派遣免許やプライバシーマーク(Pマーク)の認証がないことが挙げられます。
それぞれの内容は、以下の通りです。
派遣事業許可 | Pマーク |
---|---|
派遣事業を行うために必須の許可 | 個人情報の適切な取り扱いができることの証明 |
これらの取得は、企業の信頼性と適切な業務遂行能力の証明となります。
SES企業にとって取得は必須ではありませんが、多くの同業他社が取得しているため、持っていない場合は営業活動で不利になる可能性があります。
認証がない企業は、機密情報や個人情報の漏えいリスクがあるとみなされ、信頼性が低いと判断されてしまうのです。
特に、上場企業などコンプライアンスが厳しい企業は、これらの認証を持つ企業としか取引をしないケースもあります。
取引先の幅を広げるためにも、派遣免許やプライバシーマークの取得が推奨されます。
SES企業にとって、会社の評判は大きな資産です。
一方で以下のような場合は会社の評判が下がり、取引を避けられる可能性があります。
このような問題が起これば、IT業界の横の繋がりで悪い評判が広まってしまいます。
また、一度悪評が広まると新規クライアントを獲得するのが難しくなり、ビジネスチャンスを失う恐れがあります。
そのため、エンジニアの案件を獲得するためには、会社の評判を維持・向上させることが重要です。
社員教育の徹底や社内体制の整備などを行い、常に質の高いサービスを提供できるよう努めましょう。
エンジニアに問題があり案件が決まらない場合には、以下のような原因が考えられます。
ただし、これらが原因であっても、企業担当者のサポートによって対処できる場合もあります。
SES企業が案件を獲得するには、クライアント企業の求める条件を満たすスキルを持ったエンジニアの確保が必須です。
案件には様々な要件が設けられており、そのスキルを持たないエンジニアをアサインすることはできません。
従って、エンジニアの育成は、SES企業にとって欠かせない課題といえます。
個人の自発的な学習に期待するのではなく、社内で積極的にスキルアップの機会を設ける必要があります。
最新の技術動向を踏まえた研修の実施や、案件で求められる資格取得を支援するなど、企業全体で技術力の底上げを図ることが重要です。
エンジニアのスキルが不足したままでは、案件へのアサインが難しくなり、結果として受注機会を逃してしまうことにも繋がりかねません。
SES企業は、クライアントへ常に高い技術力を提供できるよう、計画的な人材育成に注力する必要があるのです。
エンジニア教育についての詳細は、以下の記事をご覧ください。
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SES企業にとって客先面談は、エンジニアのスキルや経験をアピールし、クライアントとの信頼関係を築くための重要な機会です。
しかし、十分な対策ができていないと、以下のような状況に陥ります。
これらが原因で、印象を悪くしたり信用を失う可能性は高いです。
面談での評価が低くなれば案件の獲得に繋がりにくくなるため、模擬面談の実施や服装・マナー指導など、適切な対策が求められます。
なお、弊社UZUZが提供する研修サービス「ウズカレBiz」では、技術研修だけでなく面談対策も実施しています。
総合的な人材育成支援を行うことで、クライアントに信頼される人材の輩出を実現しているのです。
スキルシートは、クライアントがエンジニアの適性を判断する重要な材料となります。
しかし、エンジニア任せで作成されたスキルシートでは、クライアントが求めるスキルを網羅できていないことが多いです。
実際にエンジニアがスキルをもっていても、結果として案件獲得に繋がらないことも多々あります。
そこで、営業担当者や人事側がスキルシートの内容を確認し、ブラッシュアップすることが大切です。
具体的には以下の4点を中心に、チェックを行いましょう。
企業側がしっかりと確認や添削を行うことで、クライアントに適したスキルシートを提示でき、案件獲得の角度が高まります。
エンジニアが案件を選り好みし、アサインできない場合もあるでしょう。
エンジニアは、給与や勤務地の希望が合わなかったり、自身の成長に繋がらないと感じた場合、案件を決めかねてしまうのです。
このような状況を改善するには、エンジニアと個別の面談を行い、選り好みする理由を明確にした上でキャリアプランを整理する必要があります。
上司側からの一方的な指示ではなく、コミュニケーションを通してエンジニアの気持ちに寄り添い、できる限り希望に沿った案件を紹介する努力を示すことが大切です。
選り好みするエンジニアは優秀な人材である場合も多いため、適切な対応でモチベーションを高められれば、企業にとって大きな戦力となるでしょう。
SESで配属案件が決まらないままのエンジニアを放置すると、大きなコストや悪循環を招く恐れがあります。
配属案件のないエンジニアは待機状態となり、人件費や教育費などの余分なコストがかかるのです。
例えば、社員の月給が23万円の場合、2ヶ月の待機期間で46万円のコストが発生します。
同条件の社員が2名いる場合は92万円、3名の場合は138万円と、複数人となる程コストも増え続けます。
また、長期的な待機状態はエンジニアのモチベーション低下を招き、スキルアップの意欲が失われたり、最悪の場合、離職へと繋がりかねません。
そうなれば、再度人材確保や育成に費用をかける必要があり、悪循環となります。
SES企業が高収益体質を維持するには、配属案件のないエンジニアを放置するのではなく、スキル不足が原因であれば教育を行うなどして待機時間を短くすることが大切です。
本記事では、SESで案件が決まらない原因や解決策について解説しました。
配属案件が決まらないという問題には、企業側の対策不足やエンジニア個人のスキル不足、キャリアプランの未整理など様々な理由が関係しています。
着実に配属案件を決めるためには、本記事で紹介した解決策を実践しましょう。
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UZUZ COLLEGE代表取締役社長、UZUZグループ専務取締役。1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造部へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生であったUZUZ創業者からの誘いと、自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2020年より教育研修事業を立ち上げ、2024年より「UZUZ COLLEGE」として分社化し、代表取締役社長に就任。