未経験分野に転職をするときには特に重視される「志望動機」。
同じ分野への転職時よりも、「どうして経験のある分野ではなく未経験を選んだのか」「未経験のなかからなぜこの分野/職種を選んだのか」といったことを深く聞かれる可能性があります。
「なんとなく…」では通らない未経験分野への転職時の志望動機の書き方やコツをご紹介します。
そもそも志望動機とは、「なぜその職種/会社を選んだのか」を伝える項目です。
採用側は、「職務経歴」の次に「志望動機」をチェックすることも多く、最重視されている項目の1つであるといえるでしょう。
志望動機は、履歴書にも記載しますし、面接で詳しく聞かれる採用可否判断のポイントとなるもののため、しっかり考えておかなければなりません。
しかも、未経験分野へ転職する際は、「職務経歴」はあまり重視されなくなるため、「志望動機」がもっとも見られる項目となるケースもあります。
採用する企業にとって志望動機は「どうして当社を選んだのか」という単純な疑問の答えだけでなく、「企業のことをきちんと理解しているか」「意欲ややりたいことが明確になっていて、それが企業とマッチしているか」を判断するための材料となります。
そのため、志望動機は単に「◯◯がしたいから」「◯◯がいいと思ったから」という一歩的な意思表示だけでなく、「応募した企業の“どこ”と自分自身の“どの部分”がマッチしていると感じているのか」について論理的に答えられなければなりません。
志望動機を考えるのは、自分自身の転職活動やキャリアプランを見直すきっかけにもなるものです。
じっくり考えて、自分なりの志望動機を答えられるようにしましょう。
ここでは、一見よさそうに見える志望動機でもNGとなる例をご紹介します。
ついついやってしまいがちなことがNGとなる可能性があるため、しっかり確認しておくようにしましょう。
未経験の分野ではありますが、やる気はあります。
研修での勉強も頑張りますし、1日でも早くお役に立てるように日々精進していく所存です。
よろしくお願いいたします。
NG理由
やる気だけを伝えても、具体性がなければ「言っているだけ」と思われてしまう可能性があります。
研修での勉強以前にすでに勉強を始めている人のほうが本気度も感じられ、好感ももてるというポイントも。
より具体的に伝えるようにしていきましょう。
前職では、◯◯を担当していて△△という賞もいただきました。
その他にも△△を行い高い評価を得ていましたが、今は□□に興味があり、未経験ですが応募させていただきました。
前職での経験を活かせば、御社でもすぐにお役に立てるようになると思います。
NG理由
極端な例ですが、未経験分野へ挑むのであれば、前職でどれだけ素晴らしい成績を残しているかよりも、今とこれからに焦点を当てて伝えるようにしましょう。
「前職の経験から活かせる点はどこか」、「どうしてうまくいっていた仕事を辞めて未経験分野へ転職しようとしているのか」を明確にして伝えることが必要です。
前職で△△を経験し、興味をもって勉強を始めたところ、仕事として取り組んでいきたいと思い転職を決意しました。
未経験のため、はじめは御社に貢献できないかもしれませんが、頑張ってスキルアップを目指して生きたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
NG理由
未経験に飛び込む理由も伝えられていて一見よい例のように感じますが、「はじめは御社に貢献できないかもしれませんが」というへりくだりすぎた文章がNGポイントです。
心のなかではそう思っていても、「どう自分が貢献できるのか」というところに焦点を当てて志望動機として伝えるようにしましょう。
特に「志望動機」が重視されがちな未経験分野への転職で、「これなら採用側にも納得してもらえる」例をご紹介します。
「なぜOKなのか」という理由も合わせてチェックしておきましょう。
前職で営業を担当しておりましたが、あるマーケターの方と話す機会があり、とても興味をもつようになりました。
営業業務で培ってきた「察知する能力」はマーケティングでも生かせると考え、今はマーケティングの勉強を進めています。
マーケティング業務では、営業担当者とも一緒に仕事をする機会があるかと存じます。
どちらのことも理解している私であれば、コミュニケーションもうまくとれ、お互いのよいところを引き出しながら案件を進めていけると考えております。
ポイント
未経験の職種に「どうして興味をもったのか」「前職の経験がどう生かせるのか」「今は勉強を進めている」ことを伝えられている点がポイントです。
また、「自分でなければできないこと」をうまくアピールできているため、実際に働きだしてからのイメージもわきやすくなっています。
前職は、接客業でしたが、店頭に立ちながらも、主に在庫調整や他店舗との連携など裏方と呼ばれる仕事を担当していました。
御社の事務職は、受付業務も兼ねているとのことで、電話応対や来客対応では、これまでの接客業での経験が生かせると考えております。
また、前職の裏方業務で、WordやExcelといったパソコンソフトを使用していたため、一通りの作業はこなすことができますが、さらなるステップアップを目指して勉強中です。
他店舗との連携を図っていた経験から社内の連絡役や調整等でもお役に立てると思います。
一言に事務職といっても、どんな事務を募集しているのかはリサーチしなければわからないケースも多々あります。
どんな人材がほしいのかを把握し、自分の強みにつなげて語ることができている点がこの志望動機の最大のポイントです。
業務に貢献できる自分のスキルをしっかりアピールすることも大切ですね。
前職は事務職で、パソコンを使ったデスクワークが中心でした。
一度データがすべて消えてしまうトラブルに遭ったときに社内エンジニアが駆けつけ、一緒に解決をしてくれたことから、自分でもしっかり解決できるようになりたいと勉強を始めました。
エンジニアの仕事は未経験ではありますが、現在はプログラミングなどを学びながらCCNAの取得を目指しています。前職では、来客対応や全社への連絡などコミュニケーションスキルも培ってきました。
未経験ですが、活かせる経験は活かしながら、勉強を重ねてステップアップをはかっていこうと思っております。
未経験で、前職の経験が活かしづらい職を希望する場合には、どれだけ新しい職のための勉強をしているかをアピールすることもポイントとなります。
「どうしてその職に就こうと思ったのか」という体験談を交えながら、「現在勉強していること」、「資格の取得」など具体的に伝えることが大切です。
未経験分野への転職の際に書く「志望動機」には作成のコツがあります。
そのコツとは「理由を明確に」「どう努力する/しているか」「前向きに」の3つです。
まず、「理由を明確に」しましょう。
経験分野ではなく未経験分野を選んだ理由をわかりやすく伝えることが大切です。
未経験でも応募があった場合、採用側が最初に浮かぶのが「なぜ?」という疑問です。
その疑問を解消し、納得してもらう志望動機となっているかどうかは、最初の関門といえます。
次に、未経験であっても「どう努力をする/しているか」を伝えます。
未経験なので、業務の即戦力になれないことは、採用側もわかっているため「その溝をどう埋めようとしているのか」がチェックポイントとなるのです。
すでに勉強を始めているならそのことを、これから資格取得をする予定であれば、予定月なども一緒に伝えるようにしましょう。
最後に大切なのが「前向きに」書くことです。
「未経験だから、最初は何もできない」「経験がないからうまくいかないこともあるかもしれない」と志望動機に書くことは、マイナスにしかなりません。
「これまでの経験がどう活かせるのか」「どんな風に頑張っていくのか」を具体的に記載し、面接でも伝えられるとより評価が高くなるはずです。
志望動機を書く際は、3つのコツを押さえることはもちろんですが、自分自身の棚卸しをして、「何ができて何が足りないのか」を明確にしておき「足りない部分はどう補えばよいのか」を考え、できれば実行していくことが大切なポイントとなります。
キャリアプランだけでなく、これまでの経験もしっかり振り返って、未経験の転職に臨むようにしましょう。
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